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  • 執筆者の写真藤堂真也

はじめて記事をご覧になる方へ パビリオンの概要

初めまして!私たちのWebサイトを訪れてくださりありがとうございます。

私たちは東京大学工学部建築学科の学生で構成されたパビリオン制作のチームです。

例年通り5月の展示に向けパビリオンの設計・制作を進めていたのですが、直前でパビリオンの展示を延期することになってしまいました。


お預けを食らって何もしないのももったいないので、それならば私たちがこの3ヶ月の間に行ってきた設計制作活動を、Web上のコンテンツとしてまとめて公開しよう!というのがこのWebサイトの趣旨です。


この記事では、初めて私たちの活動を知った方に他の記事を楽しんでいただくために、パビリオン・プロジェクトの全体像をご紹介いたします。まずはこれを読んでから、気になる他の記事をご覧いただければと思います。


全体パース


立面図


平面図


このパビリオンは東大本郷キャンパスの工学部広場(工一号館前の大銀杏の横の芝生広場)に、今年の8~9月ごろ建設される予定です!


我々のパビリオンは、「林立するオーガンジー布からなるボロノイ膜体」を支柱から吊り下げたものです。(ボロノイ図とは以下のような網目図形を指します。オーガンジーとは透けるほど薄く光沢のある布です。詳しくは[設計コンセプトの記事]をご覧ください。)



膜体はボロノイ型に編まれたワイヤー網から垂らされたオーガンジー布からなる


ボロノイ膜体は、金属ワイヤーで編まれた平面ボロノイ型の網から、その各辺を鉛直方向にロフトするようにオーガンジー布を垂らして構成されます。膜体は50平米程度の面積を持ち、厚さは最大で1.2m程度になります。


ワイヤーと布からなるボロノイ膜体は、金属ポールの支柱から吊り下げられます。このとき、支柱を曲げようとするが加わるのを防ぐため、支柱の頂点から膜体とは反対方向にカウンターケーブルで引っ張ります。そのケーブルをコンクリートで作ったカウンターウェイトに固定することで、力を釣り合わせるのです。


支柱を膜体と反対方向にワイヤーとコンクリートウェイトで引っ張る


私たちは、形状の意匠的な設計だけではなく、構造の解析や材料の選定、施工方法の検討、さらにはこのご時世に建てるパビリオンの楽しみ方の一つとして、配信方法の検討まで、この3ヶ月間チームで議論や実験を重ねて決定してきました。



意匠設計については、設計のコンセプトや形態のスタディの過程をまとめた記事を書きました。何を考えてのこの形態なのか、なぜオーガンジーという素材を選んだのか、どのような変遷を経てこの形態に辿り着いたのか、そういったことに興味のある方は以下の記事をご覧ください。




ボロノイ膜体の形状やカウンターウェイトの大きさなどは、当然意匠的観点だけでなく、構造的観点からもデザインされています。Rhino/Grasshopperというソフトを用いたモデリングと物理シミュレーションのほか、各種実験を繰り返して形状や素材のデザインは洗練されていきました。非等張力膜、形態解析、多目的最適化、ジェネラティブデザイン、、、などなどのキーワードや、いろんな工夫のもとの実験の様子に興味がある方は、是非以下の記事をご覧ください。




このパビリオンプロジェクトが私たち建築学生が普段取り組んでいる設計演習と決定的に違うのは、「実際に建てる」という点です。実際に建てるためには、材料の選定、施工方法の検討が非常に重要になります。予算や人員、技術や機器、、、ありとあらゆるものが不足している私たちは、美しくて大きなパビリオンを実現するためにたくさんの工夫をしてきました。たくさんのサンプルでモックアップを作って素材を検討したり、プロジェクターやはんだゴテなど普段使わないような道具を使ってみたり。コンクリートも自分たちで打ってみたりしました。これらの過程に興味がある方には以下の記事がおすすめです。




さらにはコロナ禍の影響で一般の方がキャンパス内に立ち入ることができない、ということになってしまったので、実際に本郷キャンパスを訪れることができない方々にどのようにしてパビリオンを楽しんでもらえるか、という問題についても検討を重ねてきました。バーチャル東大の開発チームや、他学科の多数の先生方に相談させていただき、様々な議論の結果「複数台の360°カメラを用いた配信」を選択し、その用意をしておりました。延期の期間でさらなるブラッシュアップがなされるかもしれません。詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。



記事中に収まらなかった大量の写真はギャラリーに上げてあります。是非ご覧ください。



記事や写真はこれからも追加されます。ぜひ興味あるものをご一読いただけたらと思います!



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