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  • 執筆者の写真梶村 寛

デジタルファブリケーション

建築情報技術を活用したデジファブ

デジタル施工の様子


施工に際しては、最近流行りの「デジファブ」分野にも挑戦しています。

「デジファブ(デジタルファブリケーション)」とは、コンピューターを利用してデジタルデータからものづくりを進めるやり方のことです。3Dプリンターなど全自動で形状を作る技術もありますが、今回は7m四方という規模の大きさを鑑みて、人間の作業をサポートするデジファブの導入を進めました。


今回は、新型コロナウイルス感染症の対策で作業の人数や場所に厳しい制約がかかる中で、普段以上に作業の効率化・省人化が強く求められました。長さや形状の墨出し、部材の取り付け位置の確認、といった単純作業をできる限り省人化・省力化するために、完成品の3Dモデルを制作し、それを活用しました。


使用した3Dモデル


プロジェクションを応用した施工の様子


デジ施工 使った紙はたった6枚のみ

現場では図面の印刷を極力廃し、デジタルツインと現実世界のモノを相互に参照しながら作業しました。情報化技術の利点を活かし、プロジェクターやパソコン、スマートフォンといった様々なデバイスにデータを共有し、常に作業者が手元でアクセスできるようにしました。

ワイヤーの切り出しにはプロジェクションマッピングを採用し、定規での計測はしていません。また、組み立てに際しても頂点番号による管理を徹底し、確認の手間を減らしました。

結果として、実際に印刷した図面は、工程管理のチェックシート代わりのわずか6枚のみでした。



番号管理による省力化


コンピュータープログラミングを建築へ

実際の施工現場だけでなく、設計から施工の橋渡し、また設計プロセスそのものにもコンピューター技術がフル活用されています。構造関連の記事へ


使用したGrasshopperプログラム


こちらのプログラムは、開発メンバーの学生たちが約2ヶ月かけて機能を追加して来た秘伝のタレです。パビリオンの3D形態生成、吊り構造のシミュレーション、形態最適化、構造計算と安全率の確認、ファブリケーション用の型紙出力、その他便利な支援ツールが実装されています。

入力として膜構造の端点とボロノイ分割する母点の配置を受け取ります。すると、自動で膜の3D形状がシミュレーションされ、垂れ下がりの程度が決定されます。さらに、実際の物性値に基づいた構造計算の結果が返され、母点配置の最適化ができます。形状が決定すると、垂れ下がり幅に応じて変形した3Dモデルが出力され、同時にファブリケーション用の平面図、部材型紙等が出力されます。

出力されたデータは、Rhinocerosファイル(.3dm)、Grasshopperファイル(.gh)、Adobe Illustratorファイル(.ai)、PDF(.pdf)等で逐次メンバーに共有され、様々なデバイスから参照できる状態にしていました。


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