ボロノイ図形
コンペ案で提出された形式だと柱に曲げがかかって倒れそうになってしまうので、柱の外側にアンカーを置いてバランスを取らなければなりません。
コンクリートブロックを置く?いやいや、せっかく材料研のメンバーがいるなら自分たちで打とうよ、どうせ打つやるなら面白い形がいいよね、ということで話が進んでいき、アンカーもボロノイを意識してデザインしていきました。
初期のスケッチ。発想が豊かで面白いです。
型枠作り
努力と覚悟次第で身の回りのさまざまなものは型枠になりますが、今回は①立方体の型枠を作って、打設時に傾きをつけたもの、②風船の中にコンクリートを詰めたもの、③スタイロフォームで自由曲面を作り、それを金型に入れて打設したものの3つを実験しました。その後施工性、デザイン性の高さから①にすることとなりました。
風船コンクリート。見た目に反して全然可愛くない重さでした。
材料研究室の協力を得てやっていったのですが、締め固め不足によるジャンカが発生する施工不良が発生しました。打ちっぱなしコンクリートの外装は普段目にすることが多いですが、締め固めをしたり、つき棒で固める地道な作業の大事さがわかりました。ちなみに今回練った量は計300L、重さにすると720kgほどあるのですが、建築の重さも改めて実感させられます。
締め固め不足によるジャンカの発生。難しいです。
傾けたまま打設
先ほど述べた立方体型枠ですが、実際の施工の際は型枠合板と板材を使って作成していきました。最大の難所だったのが「どこで型枠を傾けながら養生するか」ということですが、授業内の構造試験で使ったコンクリート試験梁に立てかけています。
箱が並んだ不思議なランドスケープが形成されています。
アンカー用のコンクリートに加え、柱脚にもコンクリートを打設しました。こちらは平面ボロノイを押し出したような形です。ワンバイエイト材を丸ノコで斜めにカットし、ちょっと面白い形の型枠を作りました。
柱脚のちょっとしたこだわりとしては、柱脚の固定ベースをコンクリートに隠すようにして、柱脚と支柱が一体に見えるようにしています。3Dプリンタで固定ベースの部分を作り、そのまま打設することによって後から支柱が入るスペースを確保しました。
五角形の柱脚
Comments